円周率の近似値を「3」と指導するべきか、「3.14」と指導するべきか

ゆとり時代は,小学校で円周率を「3」と教えていたという話はよく耳にする。
それを聞いて,レベルが低いと捉えがちである。
でも,よく考えてみると,円周率を「3」と教えるほうが,レベルが高いのではないかと私は考える。
円周率が3より大きく4より小さいことは,小学生にも容易に説明できる(正方形と正六角形の周の長さを比較する)。
しかし,円周率が3.1より大きく3.2より小さいことは,東京大学の入試問題になるほど難しい。
それにもかかわらず,円周率を「3.14」と暗記させて指導することはよいのだろうか?
ここで重要なのは,

「3.14」が「近似値」であること

である。

近似値の考え方を小学生にもしっかり指導するべきである。
半径を大きくするほど,面積や周の長さの誤差は大きくなる。
3.14は円周率より小さい値であることもおさえておきたい。
証明ができないとしても,「円周率は3.14」と暗記的に指導するのではなく,「円周率は3.14より大きく3.15より小さい」ということにふれて指導するべきだと私は考える。

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