「0」の意味・役割は?

小学校学習指導要領解説では次の3つについて書かれている。
① 何もないことを表す。
② 十進法表記での空位を表す。
③ 数直線で基準を表す。
これに沿って、記述する。

① 何もないことを表す。
日常生活ではこの考え方を多く用いる。
古代文明の哲学や文学の中でも、「ない」「からっぽ」という概念は用いられている。
日本文教出版の教科書では、「気温が0℃」は「気温がない」ことではないことに言及し、0の他の役割について考えるきっかけをつくっている。

② 十進法表記での空位を表す。
70や30000などの「0」のことである。
この意味での「0」は、紀元前306年~紀元前30年に、プトレマイオス朝のエジプトで使用されていた。
十進法以外の表記においても空欄を表す記号として用いられる。

③ 数直線で基準を表す。
この考え方が負の数の導入で必要な考え方である。
しかし、考え方自体は小学校で習っている。具体的にはものさしの使い方である。ものさしで長さをはかる際、端を0にそろえる。この操作が「0を基準にする」という考え方そのものである。
数直線に限定する必要はない。水が凍るときの温度を0℃にするという考え方も、基準の考え方である。

①②③以外にも、代数学的に考えるとすれば、
④ 加法の単位元を表す。
という役割もある。
この考え方は、628年にブラーマグプタが「Brahmasphuta Siddhanta」(宇宙の始まり)で述べたのが起源である。


遠山啓は、「あるはずのものがないこと」というふうに表現している。
実際、現在の小学校の各社の教科書を見てみると、輪投げが入らなかったときや、存在していたりんごがなくなったときなどで、0を表現している。

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