なぜ負の数を導入するのか

中学校の数学でいちばん最初に習うのが、正の数と負の数です。
では、負の数を導入する理由は何なのでしょうか?

1 教科書による記述
・これまでできなかった引き算をできるようにする。
・反対の性質をもつ数について考えたい。
・0より小さい数を考えたい。
・0を基準にして表したい。

2 学習指導要領解説による記述
負の数の必要性と意味
・反対の方向や性質を数で表すことができる。
・ある値を基準とした数の大小の比較ができる。
・数を数直線上に表すことができる。
・減法がいつでも可能になる。
・加法と減法を統一的に表すことができる。

3 負の数の歴史
紀元前1世紀~紀元後2世紀(?) 中国 算木 (赤→正の係数,黒→負の係数)
7世紀 インド 解の公式を作るために必要とされた。正の数を「財産」,負の数を「借金」と捉える考え方ができる。
12世紀 インド バースカラ2世が負の数の考え方を拒絶する。
13世紀 フィボナッチ ヨーロッパの数学者が反対する中、認めていた。
15世紀 シュケ 負の数は「馬鹿げた数」
18世紀 オイラー 「負の数は無限大より大きい。」 方程式の負の解は意味がない。

大日本図書の教科書には、負の数の歴史に関する特集がある。

フィボナッチの学習教室

① なぜ数学を勉強するのか、なぜ公式が成り立つのか、なぜ概念を導入するのか、など、さまざまな「なぜ」に迫ります。 ② 数学の特訓プリントを掲載します。

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